本日は着物の雑学でございます。
振袖がなぜ独身女性しか着用できないのか、振袖の歴史と共に説明して参ります。
まず、振袖はかつては女性だけでなく男性も着用していた着物でございました。
こんな版画も残されておりますよ 🙄
江戸時代になると、次第に女性のみが着用する着物として定着していったのです。
この時代の女性は、男性の求愛に言葉で返事をする行為が
はしたないという文化があり、着物の袖を振って返事をしておりました。
左右に振れば「はい」前後に振れば「いいえ」の意味があり、
着物の袖が愛情表現に使われていたのですって。
既婚女性の場合には、このような求愛の返事は必要ありませんので、
おのずと長い袖は不要になります。普段の生活にも邪魔ですものね。
こんな背景から袖が長い振袖は独身女性が着用する着物とされてきたのです。
また、現代の恋愛の振る、振られるという言葉はこの背景からきている
とかいないとか……… 😉
因みに本振袖と中振袖・小振袖の違いとは何かと申しますと
ズバリ、単純にお袖の長さです。
本振袖・大振袖 ⇒ 袖の長さ・約115c
中振袖 ⇒ 袖の長さ・約105cm
小振袖・普通丈 ⇒ 袖の長さ・約85cm
となっております。
現在ではお袖が長いほど良いというわけでもなく、
お袖が長いほど格が上とかでも無いようで・・・
(身長の兼ね合いでお袖の長さを調整しなくてはならない場合も
あるかもしれませんが・・・)
では、どんな基準で選べばよいの⁈
と悩まれる方もいらっしゃるかと存じますが、
TPO(単純に年齢と着ていかれる場所)で選べば良いのです。
本振袖・中振袖 ⇒ フォーマルな場所(成人式・卒業式など)
小振袖 ⇒ 30代までの未婚女性で、
セミフォーマルな場所(同窓会・パーティなど)
に適しているかと存じます。
ご参考までに